カテゴリ : 少年・青年マンガ ジャンル : 青年マンガ 出版社 : リイド社 掲載誌・レーベル : コミック乱ツインズ ページ数 : 194ページ 電子版発売日 : 2016年03月29日 コンテンツ形式 : EPUB サイズ(目安) : 72MB 御前試合、決着!! 寿司屋横丁の、江戸前握りの頂点が決定!!! 様々な寿司屋がしのぎを削る江戸「寿司屋横丁」。その中でもひと際高い技術と人気を誇るのが「菜の花寿司」の職人、鯛介。 その鯛介と寿司職人たちの花見に、将軍・徳川家茂が闖入したことがきっかけで始まった公儀御用達争奪の御前試合。 これを機に、横丁の覇権を奪おうと、多くの職人が参加し、「海皇寿司」鉄平、「蛇の目鮨」お万、「與兵衛寿司」龍児、そして「菜の花寿司」の鯛介が決勝に勝ち残った。 将軍・家茂も見守る中、四人の戦いは苛烈さを増したが、遂に頂点が決まる!!
ホント、こればっかりは人それぞれだろうけど、私は『将太の寿司』より、この『すしいち!』を読み終わった時の方が、美味い寿司を食べたくなってしょうがない。小川先生の絵とストーリーは、戦慄すら覚えるほど、読み手の食欲を刺激してくれる 先生自身が食べる事、グルメ漫画を描く事、どちらも好きじゃなきゃ、ここまで質の高い作品は生まれないだろう また、素人でも、取材をきっちりしている、と独創性がキラリと光る寿司から感じ取れる点も好きだ。どんなジャンルの漫画でも、取材がおざなりだと、作品の質が下がるが、グルメ系と歴史は、特にそれが顕著だ この(5)では、ついに、御前試合の優勝者が決定する 大番狂わせは起こらず、読み手の期待通り、決勝戦では、鯛介と龍児が真っ向から衝突する事に!! しかも、この決勝戦のテーマが、将軍ですら見た事がない美しい寿司、と言う難しいモノ。それでも、真摯に挑み、自分だけの答えを見出す鯛介、龍児は共に寿司職人の鑑と言うより他ない 決勝戦だけあって、出てくる寿司も凄けりゃ、リアクションもハンパない オッサン三人が、想像を絶する美味さに衝撃を覚え、晴れ晴れとした笑顔になる。シュールっちゃシュールだが、これもまた、小川先生の作品だからこそ、読み手に受け入れられる味だ どちらが男としてカッコいいか、それを決めるのは難しいが、私は鯛介の方が好感を龍児より、いくらか持てる。技術云々は互角だろうけど、やはり、鯛介には龍児にない、活きた経験がある。そこが魅力の差だろう 御前試合で献上された、一貫して“民の心”を握り、弱くとも輝きは随一と証明した鯛介のイワシの握りvs「現状の改革」を死ぬことも覚悟して訴える龍児のべっこう寿司、どちらが勝ったか、そこは実際に読んで確かめてもらいたい。ここで勝者を書いてしまったら、『すしいち!』を読んでもらえない。読んでもらう為に書いているのに、その芽を摘んでしまったら本末転倒だ ともあれ、各々の心の持ちようにイイ変化を齎した御前試合の幕は引かれ、話は新たな展開に この『すしいち!』に限らず、小川先生のグルメ系漫画全体に言える事だが、真骨頂は店の外での活動、つまりは旅にある、と思う 様々な土地を歩き、そこにしかない食材で、そこでしか作れない極上の料理を図抜けた才覚と技量で作り出し、大問題を華麗に解決する その展開こそ、小川イズム!! 大きな勝負が終わり、日常パートに戻ってこそ、面白さが増幅するのだ、小川先生のグルメ漫画は どの話もハートと胃袋に響いてくるが、やはり、インパクト大なのは、可憐さより暴力性の方が目立ってきちゃっているヒロイン・おりんが活躍(?)する、第二十四話「寛容なる玉子」だった。脇役と思われがちな玉子焼きでも、工夫次第では主役を十分に張れる。また、二種の素材がお互いの良さを引き出すように、似た者同士過ぎて馬が合わないからこそ、同じ夢を見て、手を組めれば、大仕事も成功できる、と示唆してくれているトコにも、小川先生らしさを見る事が出来る この台詞を引用に選んだのは、一流の男のコトバを察する事が出来るのも、また一流の男だけ、と感じたからだ。また、人間、武力や権力に驕って、自分に力で劣る者を虐げ、そこに正統性を求めちゃ、おしまいだな、とも思った。新しい事に挑戦する、それ自体はイイ事だ。けど、結果を求めて、大切な物を見過ごしてはいけない。新しい事に挑戦する時ほど、基礎が疎かにならないよう、自分を特に戒めねばならない、ってコトか
ドSな彼に翻弄されて【タテヨミ】第26話 - 閲文集団/PANDA POWER - 少女マンガ・無料試し読みなら、電子書籍・コミックストア ブックライブ